『ぺ』:ペン先
フルデジタルで漫画を書き始めたのはもう10年くらい前になりそうだ。貧乏性過ぎてトーンを使うのが苦手だったのだけど、デジタルはそういうことがないのがいい。
アナログで漫画をかき、そのあとはペン入れまでアナログそれ以降はPhotoshop、それからコミスタのデビューをちょっと触り、SAIに移行、SAIとフォトショになり、コミスタを買うとクリスタも一緒にできるとかでコミスタを買い、いまのクリスタのみになった。
書き出してみると意外と遍歴がある。
液タブになったのは4年ほど、板タブはアナログからフォトショを使い~…くらいのときだった。最終的に、クラフト紙を貼り付けて使っていた。
現状、あまりアナログで絵を描くことがすくなくなった。
だけど、わたしはペン入れは正直アナログのほうが好きだ。
あの金属のペン先で、原稿用紙にカリカリと書き込む。あの感じやペンタッチは、やっぱりなかなかデジタルでは出せないものだと思う。いくらアナログ風のペン設定を使っても。
自分は丸ペンとスクールペンが好きだった。むしろGペンが筆圧付きすぎるのでとても苦手で、克服しようとしたのは何度もあったけどそのたびに挫折した。
丸ペンのあの細いペン先から、細い細い線を描く。細い線を重ねて太い線にする。
自分が描いたのか疑いたくなるような、そんな線。それをかきだせる丸ペンが好きだった。
シャリシャリと音を立て、瞳の描写をしているときなんかは絵を描いている以上の感覚すら感じる。
そして同様に、細い細い線がかけるスクールペンもいい。より強弱がつけられない、硬いペン先。丸ペンは紙に刺さる感じすらあるが、スクールはそこまでの鋭さはない。
恐ろしく細く、硬い、線。それがかける。書き味自体はそれほどの過敏さはないのに。
インクを付けるその瞬間、紙から目を上げ、ふっと息をつく。インク瓶にペン先をつけ、また紙に向かう。じっと自分と自分の絵にに集中する。
デジタルで絵を描いていても、たまにアナログでつけペンを使うと、やっぱりいいなとおもう。やっぱり電子上のデータでやることと、現実のなかで行われていることは指先から違うのかもしれない。
またオールアナログで一度漫画を書きたい。月イチくらいでペン画をあげてもいいかもしれない。
せっかく買った、素敵なペン軸をどこにやっただろうか…。今度掃除ついでに引っ張り出して有限実行に移そう。
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