『は』:蓮の花
子供の頃から足を運ぶことが多いあるところの神社の、すこし外れたところに蓮の池がある。
大きな池で、冬の間は何もなく、ただの濁った水の張った池だ。寒いときはやはり氷が張るのだろうか。
あるとき、たまたまそこに訪れたらそのなにもないイメージだった池におおきな蓮の葉や茎が浮いていた。水底がみえないほど、蓮の葉はおおきい。
そしてそこに、信じられないくらいきれいな彩度の高いグラデーションの蓮が咲いていた。
色で言えば躑躅色や、パリスピンクやフィエスタローズ。
濃い先端から、根本に移るにつれ、それは白く、明かりのようだ。
いつか聞いた話だと、朝方蓮が咲く音がするとか。
極楽の花のイメージが強く、蓮をみるたび、どこか神秘性を感じてしまう。
夏の暑さの中、湿気の多い池のほとり、どうしても目が離せない蓮。
花の美しさに反して、水面に近い部分はどうも混沌を見える。
ちいさく、白く咲く睡蓮もいい。
すこし離れたところに蓮がたくさん咲く潟があるときいたことがある。
今年は咲いているタイミングで訪れてみたい。
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